顔を隠す道具から家を守る道具に


こんにちは(*ˊᵕˋ* )
四つ葉のくまさんことよつくまです
本日もよろしくお願いいたします。
願いいたします。


江戸時代には様々な方法で、

「涼」

を求めました。


直射日光を避けるのは今も同じ…
そんな「江戸の涼」についてのお話です。

本日は「簾(すだれ)と(葦簀)よしず」について記載します。
(以後ひらがなで記載)

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(左すだれ 右よしず)



日本家屋の本質は風を通すこと


現代でも使っておられる方は多いのではないでしょうか?

日本家屋の本質は、

「風を通すこと」

とされています。

風を通すだけでなく、
直射日光から家を守る意味もあります。

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(すだれを用いた日本家屋の例)



【すだれとよしずの違い】


簾(すだれ) ⇒ 細く割った竹、葦を編んで作る
         屋内にぶら下げて使用する
         横縞

葦簀(よしず)⇒ 葦(よし)を材料とする
         屋外に立てかけて使用する
         縦縞


現代も残る生活の知恵です。

いつ頃から使われているものなのでしょうか?



「万葉集」にも登場する「すだれ」


【その起源】


元々は平安貴族が使用していた、
「御簾(みす)」が起源といわれる。

それを大型にして屋外でも使用出来るように改造した物が「よしず」

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(顔を直接見るのは失礼とされた)


「すだれ」は「万葉集」に登場しています。

テレビなどで、
高貴な方が「御簾」越しに顔を見せないで家臣と話すシーンがあります。
その「御簾」がすだれの原型だと言われています。

一方の「よしず」の起源ははっきりしていません。

日本で馴染みのある素材であった葦(よし)を、
日除けとして立てかけて使用したのが始まりとされてます。



海の家にみる江戸時代の暮らし


「江戸時代において」


「よしず」を家のついたてとして使用していたと記述がある。

当時の葦(よし)は天井などにも使用されるポピュラーな素材であった。

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(水辺に群生する葦)


江戸の世においても使い方は現代と同じです。

「よしず」で屋外を囲み、
「すだれ」を軒下にぶら下げる。

日本家屋が減少して、
マンションなどに置き換わった現代。

そんな中でも海の家などで見ることが出来ます。

周囲を大きく囲っている背の高い「よしず」
店内で日除けにぶら下がっているのが「すだれ」です。

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(家を大きく囲むよしず)



家自体を冷やす大胆な発想


「よしず」は非常に丈夫でありました。

屋外で使えることも魅力ですが、耐久性も兼ね備えていました。
注目すべきは「よしず」の使い方です。

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(葦を集める女性の浮世絵イメージ)


水を掛けることにより、
家自体を冷やす効果があったのです。

この効果は「打ち水」と同様。

つまり「気化熱」を用いています。

「よしず」が乾く際に熱を奪うことで、
家の中を2~3℃程冷やすことが出来たとされています。

大胆ながらも効果的な発想です。

家を冷やす天然のクーラーとも言える使い方です。


形は違えど現代における、

「壁面緑化」
「屋上緑化」

による温度上昇抑制効果に似ています。

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(現代の屋上緑化のイメージ)


当時の方がこれを自然に行っていたとなると、
すごいものがあります。



現代に置ける変遷


現代は「すだれ」をかけずとも遮光カーテンがあります。
こちらは完全に日光をシャットアウトします。

ところが同時に部屋を暗くしてしまいます。

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(一般的なレースカーテンの一例)


レースのカーテンは部屋の明るさを保ちつつ遮光が出来ます。

網戸とレースカーテンの組み合わせ。
こちらは実はほとんど風を通しません。

「すだれ」を用いるとレースカーテンの何倍も風を通すのです。

クーラーや扇風機がない時代…
ある意味風通しは生命線です。

つまり家そのものが風通しが良くなるように設計されていたのでしょう。

※防音や防火および耐震などは考えない場合



天然素材の良さを見直す…呼吸する家


江戸時代の朝は、

・玄関や道路に打ち水
・「よしず」に打ち水

を同時に行っていました。

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(打ち水から始まる朝のひととき)


家の周りや道路の温度上昇を抑え、
同時に「よしず」にも打ち水をすることで、
家そのものの気温上昇を抑える。

風を通す「すだれ」をかけて、家を通り抜ける風に涼をとる。

現代も使える知恵が詰まっています。


天然素材の良さは、昨今見直されています。

・漆喰
・珪藻土の壁
・耐新型木造住宅

呼吸する家について見直す時代になっているようです。




よつくまがお届けいたしました˚*・.。 ꕤ




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