滴る水の余韻を楽しむ…古来の音響装置


こんにちは(・◇・)ゞ
四つ葉のくまさんことよつくまです
本日もよろしくお願いいたします。


江戸時代には様々な方法で、

「涼」

を求めました。


音色は「涼感」と直結します。
そんな「江戸の涼」についてのお話です。

本日は「水琴窟」について記載します。

BlogPaint

画像はイメージ フリー画像です
(日本庭園と水の組み合わせ)



澄んだ水の余韻…波紋のごとく伝わる


澄んだ水の音色を奏でる「水琴窟」

「風鈴」同様に、
涼しげな音色はそれだけで温度を下げてくれるような、
清々しさがあります。

suikinkutu

画像はイメージ フリー画像です
(水琴窟の一例)



【水琴窟とは?】

水瓶に水が滴る余韻音を楽しむ音響装置。

地中に埋めた水瓶に、
柄杓で水をたらすとそのしずくが瓶内で反響。
心地よい音響をもたらす。

現在では庭園の他、自宅用の水琴窟も施工されている。

kateiyousuikinkutu

画像はイメージ フリー画像です
(自宅に置ける水琴窟も…)



庭先の排水装置から産まれた?


【水琴窟の起源】


江戸時代中期。
茶人であり著名な作庭家で知られる「小堀遠州」が考案した、
蹲踞(つくばい)からの排水を処理する「洞水門」が起源という説がある。

但し詳細は不明とされている。

tukubai

画像はイメージ フリー画像です
(蹲居の一例 溢れた水は底の瓶へ落ちる)


茶室などに入る前に手を清める蹲居(つくばい)
そちらから溢れる水を地下に設置した水瓶に落とし、
音色までを楽しんだ「水琴窟」

非常に風流な仕掛けと言えます。

suikinkutusikumi

画像はイメージ フリー画像です
(蹲居水琴窟の構成図)


「水琴窟」

という名称はその水の音色が、
「琴の音」に似ていることから来ていると言われています。



作庭の趣を高める傑作


「江戸時代において」


江戸中期頃の庭に「水琴窟」が存在したという記述がある。
作庭の傑作として日本庭園の趣を高める傑作と言われた。

suikinkutu1

画像はイメージ フリー画像です
(現存する水琴窟の一例)


江戸の中期にはそれなりの数が作られたそうです。

国の名勝に指定されるようなお庭に設置されていたという「水琴窟」
庶民が自宅で楽しむよなものではなかったようです。

明治の世に入り、

「水琴窟」は拡がりを見せましたが、

その後は衰退をたどりました。


当時の「水琴窟」で現存しているものは数少ないようです。

昭和60年頃のテレビにて「水琴窟」が紹介され、
静かなブームに…。

その後変遷を経て現在に至っているようです。


これは完全に私見ですが、
各地の名所めぐりといえば神社や仏閣…そして庭園です。

そんな旅の中で「水琴窟」を楽しんでいたのかもしれません。

edoryokou

画像はイメージ フリー画像です
(江戸時代の旅のイメージ)



一つとして同じものがない「水琴窟」の音色


「水琴窟」

は独特の製法でつくられます。

特徴としては、

「一つとして同じ音がない」

事があげられます。


どんな音なのか一つの例を聞いてみましょう。



動画はYou Tubeより
(東京都港区泉岳寺の水琴窟)


いかがでしょうか?
大変涼やかで…癒される音色です。


手水鉢の真下に洞窟を作り。
その中に水滴が落ちて底面に溜まった水に波紋が生まれます。
洞窟の壁面に反響した音は唯一無二のもの。

大変涼やかで趣のある音色として響くのです。




その音響設備は一流


一説によると一滴の水滴でおよそ1秒間の余韻が響く「水琴窟」

これは一流のコンサートホール並であると言われています。

konsatoho-ru

画像はイメージ フリー画像です
(音の反響は同等レベルとされている)


江戸時代に考案したとされる作庭師はとんでもない発想力です。

人間にとって心地よい音源の一つとされ、
一つ一つ音が違うのも特徴です。


「小堀遠州」という人物は、
江戸時代の大名であり茶人であった人物です。

徳川将軍家の茶道指南役としても活躍した人物なのだそうです。



日本庭園の静寂に響く竹の音色


日本庭園にはもう一つ水を使った庭の仕掛けがあります。

竹が「カコン!」
という音でおなじみの「ししおどし」です。

sisiodosi

画像はイメージ フリー画像です
(水の力で竹を打ち音を出します)


こちらは音響を楽しむというより、
実は農作物の被害を防ぐ鳥獣避けなのです。

ししは「獅子」ではなく「鹿」の事。
漢字で書くと「鹿威し」が正解です。


日本庭園では静寂も一つの音色と考えます。

沈黙から響き渡る「鹿威し」の音。
「水琴窟」同様に風流で日本を感じる事が出来るものです。


様々な騒音が多い現代では産まれ得ぬ発想ではないでしょうか?




よつくまがお届けいたしました˚*・.。 ꕤ




合わせて読みたい記事です





ご登録頂ければ嬉しいです






※ご登録頂くと記事が更新された際にLINE等で通知が届きます。
見逃したくないブログやよく閲覧するブログなどに便利な機能ですꕤ


ツイッターのんびり更新中です