寓話・おとぎ話 : 四つ葉のくまさんの癒しのお花、時々お料理日記

四つ葉のくまさんの癒しのお花、時々お料理日記

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カテゴリ:雑談 日記 > 寓話・おとぎ話



「魔法のクリスマスツリー」と「一番優しい願いごと」 【創作寓話】byよつくま



【「魔法のクリスマスツリー」と「一番優しい願いごと」】



なんでも願いを叶えてくれる「魔法のクリスマスツリー」

もしそのようなものがあったなら…あなたはどうしますか?


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普段我慢していること
ずっと欲しかったもの
叶えたかった願い…

全てが叶うのです。



これは「魔法のクリスマスツリー」を偶然見つけた女の子のお話です。


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皆…考えているのは自分の「願いごと」…


「魔法のクリスマスツリー」は誰もが探しているけれど、

なかなか見つからないもの。


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ある人は「お金持ち」になるために…

ある人は大好きな「おもちゃ」を手に入れるために…

ある人は「トップスター」になるために…



皆ががそれぞれの想いを抱いて森を探していました。

そう…もうすぐ「クリスマス」なのです。


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噂によれば…


「クリスマス」が近づいた頃にしか「魔法のクリスマスツリー」は現れない


人々は自分の「願いごと」を叶えるために必死でした。





「乱暴なおじさん」は言いました。


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「ツリーなんだから森にあるに違いない」

「邪魔な木を切り倒したら見つかるはずだ」




「冷めた男の子」は言いました。


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「そんなものないよ…あるわけないじゃん」

「おもちゃは親が買ってくれるんだよ」




「高飛車な女性」は言いました。


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「私以外にふさわしい人物はいなくてよ」

「さあ手伝いなさいな…スターになったときには召使いとして使ってあげる」



こうして今日も村はずれの森は大賑わいです。



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その喧騒は今日もまた日暮れまでずっと続いておりました。



いつも一緒…いつもの散歩道


「リリヤ」は村の奥に暮らしている小さな女の子です。

比較的貧しいエリアでした。


「魔法のクリスマスツリー」がどこにあるのかなど知る由もないまま日々を過ごしていました。



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「リリヤ」の日課は近所の森の散歩です。

皆が探している森よりもやや奥まっており人は来ないようです。



今日も元気に出かけようとすると…


「あんまり遠くに行くんじゃないよ」と「おばあさん」の声。


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お父さんは街で働いていてたまにしか会えません。

お母さんは村のパン工場で働いているので「クリスマス」の前は忙しいのです。


でもそのおかげで毎日食事を摂ることは何とかできました。


「大丈夫だよ、トレエも一緒だから」と「リリヤ」


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「トレエ」はお父さんが飼っている猟犬で黒い犬でした。

いつも散歩は一緒です。


「リリヤ」はお花を見たり、

「どんぐり」を拾ったりするのが好きです。


恐い動物も「トレエ」が一緒だと寄ってこないので安心して楽しんでいました。


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小さな「雪だるま」が見守る中…

「いってきまーす」

「リリヤ」は今日も散歩に出かけて行きました。



「迷ったおじさん」と「ジンジャーブレッド」


「らんらんらん•*¨*•.¸¸♬」


ちょっと気分よく鼻歌を歌いながら…

ほんの少しだけ森の奥にやってきた「リリヤ」


そんな時でした!


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「バウ!ワンワン!」


と「トレエ」が裾を引っ張ります。


「どうしたのトレエ!」


こんなことは初めてでした。


「トレエ」はおとなしく声をあげることなどない犬でした。

引っ張られるまま小さな木の袂まで引っ張られていく「リリヤ」…



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「ワンワン!」


再び「トレエ」が鳴いた時…

そこには「黒い服をきたおじいさん」が木にもたれかかっていました。



「あ!大変!」


駆け寄る「リリヤ」


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「大丈夫ですかおじいさん!」


と声をかけました。


「黒い服のおじいさん」はちょっと太めのお腹をさすりながら…


「何か持っているかね?」


とか細い声を出しました。


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「お腹がすいているの?ちょっと待って」


「リリヤ」はポーチから、「おばあさん」から持たされたお菓子を差し出しました。

今は「クリスマス」前なので「ジンジャーブレッド」を持っていたのです。


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「黒い服のおじいさん」は「ジンジャーブレッド」を美味しそうに食べ…

差し出した水も飲みました。



「ふぅ…ありがとうお嬢ちゃん」

「迷ってしまってね…行き倒れるところだったよ」


と「黒い服のおじいさん」


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「リリヤ」は、

「こんなに浅い森で迷うかな?」

と思いながらも…


「よかった!」

「村までご案内しましょうか?」


と声を掛けました。



「大丈夫…心が洗われたよ」


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「???」


「リリヤ」は意味がよくわかりませんでした…



「私は大丈夫だからおうちにお帰り、間もなく日が暮れる」


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「リリヤ」は確かに帰らなきゃと空を見上げました。

…でもおじいさんが…??


視線を戻すと「黒い服のおじいさん」は消えていました…



眠れない「リリヤ」


無事に家に帰り夕食の時間です。

「おばあさん」に何があったのかを話しました。


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「おばあさん」は話を黙って聞いてくれました。


「おまえは優しい子だね」

「おじいさんは大丈夫さ…元気が出たんだろうよ」


「おばあさん」は何かを言いかけました…


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「さぁもう休みなさい」


と灯りを消して「おばあさん」は出て行きました。


「リリヤ」はモヤモヤしていました…

一度は布団をかぶったもののまた起きてしまいました。


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「リリヤ」は…


「何だったんだろう?明日もう一度行ってみよう」

「おばあさん何か知っているのかな?」


などと考えて天井を見上げていました。



しばらく経ったころ…いつの間にか眠ってしまっておりました。



再び森へ…


翌日「リリヤ」は「トレエ」を連れて昨日の場所へ行きました。

ところがそこには見慣れない大きな木が一本あるだけ…


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「おかしいなぁ…こんなところにこんな大きい木なんてあった?」


その時でした!


「ガサッ!」


と物音がします。


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何だろう?恐い動物だったらどうしよう……

「トレエ」は涼しい顔で頭を掻いています。



すると突然大きな木の陰から「赤い服のおじいさん」が現れたのです!

よく見れば昨日の「黒い服のおじいさん」に違いありません。



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「ほっほっほっ…昨日はお菓子をごちそう様」

「お礼をしなくては…何か欲しいものはないかい?」


「リリヤ」はきょとんとしてしまいました。

「トレエ」は「わう?」と首をかしげます。


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現れた「おじいさん」は大きな木をなでながら…


「この木はの…魔法のクリスマスツリー!」

「なんでも願いが叶うんだよ…何か願いごとはないかい?」



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「リリヤ」は首を振りました。


「願いごと」よりも言いたいことがありました。


「おじいさん元気になったんだね、よかった…」


それを聞いた「おじいさん」は笑顔を見せて…

傍にあった切り株に「どっこいしょ」と腰を下ろしました。



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ややため息をつくように「おじいさん」は話しました。


「最近は私利私欲に汚れたものが多すぎる…」

「おかげですっかり汚れてしまったよ」

「お嬢ちゃんのおかげで力を取り戻したんだよ…ありがとう」

「なんでも願いごとを叶えてあげよう」



確かに昨日は「黒い服」で元気がありませんでした。

今日は元気のようです…それも嬉しく思いました。


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「さぁ…何か願いごとを言ってごらん」



「リリヤ」は色々と考えました…



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「お金」たくさんあったら「お父さん」と一緒にいられるのかな?

「かわいい花柄のお洋服」…私も着られるのかな?

「街には大きな本屋さん」…あるって言ってたな?


…………!



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そして「リリヤ」はこういったのです…


「私の願いごとは…」




「リリヤ」の願いごと


今日は「クリスマス」当日です。


「リリヤ」の家ではつつましくも家族が集まってお祈りをささげているところでした。


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「クリスマス休暇」に入ったため、

「お父さん」
「お母さん」
「おばあさん」
「トレエ」

みんなが揃っていました。



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お祈りが終わったところで「リリヤ」は両親に昨日の話をしました。


「それで何をお願いしたの?」と「お母さん」


「うんとね…赤い服のおじさんにお願いはしなかったの」


………沈黙



「私はお父さんもお母さんもおばあちゃんも、トレエも、住む家もある」

「だから他にご飯が食べられない人や、家族に会えない人にお願いを取っておいてって…お願いしたの」



………しばしの沈黙の後「お母さん」は、


「そう…とてもいいことしたわね」


と頭を撫でました。


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「えへへ…」


と照れ笑いの「リリヤ」…


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「それじゃあご飯を頂きましょう」


みんな静かに「クリスマス」の食事を済ませました。


食事の後しばらくして「リリヤ」は「あくび」をしました。


「さぁもうおやすみなさい」

「おやすみ」


「リリヤ」は部屋に戻りすぐに眠ってしまいました。


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「リリヤ」が眠った後…

大人たちは今日の出来事を話していました。



「優しい子に育ったねぇ」

「なかなかできるものじゃないよ」と「おばあさん」


名前のように「純粋」に育ったんだなと頷く「お父さん」

「リリヤ」には「ユリの花」「純粋な美」という意味があるのです。


「ええ」「ええ」と頷く「お母さん」


瞼からは抑えきれないものが流れます。



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「私たちの育て方は間違ってなかった…感謝いたします」


祈りの言葉を残して夜が更けていきました……。



「リリヤ」の小さな幸せ


翌朝になりました。


「クリスマス休暇」でみんな揃って朝食です。

「リリヤ」はとても嬉しそうです。


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朝食が済むと「トレエ」を連れていつも通り森に出かけます。

今日は「お父さん」も一緒です。


「リリヤ」は幸せでした。


いつもよりもずっとはしゃいで…

いろいろなおしゃべりをして…

「トレエ」と走り回って雪の上に寝転んで…


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とってもはしゃいだ「リリヤ」は、帰り道はお父さんの背中の上でした。

一体何の夢を見ているのでしょうか?


時折笑っているように見えました。

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そうそう…

これをお伝えしておかないといけません。



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傍を歩いている「トレエ」の首輪が変わっていたことは内緒です。


一つ売るだけでも当分暮らしていけるほどの…

「輝く石」のついた豪華な首輪に変わっていることに…



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この世界で「一番優しい願いごと」は何でしょうか?


「魔法のクリスマスツリー」は今もどこかに存在するのかもしれません…



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「魔法のクリスマスツリー」と「一番優しい願いごと」 ˚*・.。 FIN




広がる寓話の世界





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「ブルークリスマスの奇跡」 【創作寓話】 よつくま




【「ブルークリスマスの奇跡」】



ある古びた村の外れに一本の大きな「もみの樹」がありました。
この村に残っている子供はもう彼一人…



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かつては栄えたこの村も、
「鉱山」の閉鎖とともに衰退していきました。

生きる希望を無くすもの。
街へと移住していくもの。


この物語はそんな村に住むとある少年が起こした、
小さな「希望」の物語です。


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一枚の写真


寂れた村の片隅。

彼の家はもちろん裕福でなく、
いつも同じ「ぼろの服」を着て教育も受けられず。


たった一人「もみ樹」の下で遊んでいました。


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鉱山の事故で父母は他界…祖母が一人の彼の家。


とある日、彼は家で古びた写真を見つけました。

そこには村はずれの「もみの樹」に、
きらびやかな飾りが輝いたクリスマスの夜の写真でした。


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「ばあちゃん、これ村はずれのもみの樹?」


祖母は答えました。

「ああ…懐かしいね……この村も昔は栄えていたからねぇ」

「昔はねあのもみの樹の周りでクリスマスのお祝いをしたもんさ…きれいだったねぇ」

遠い目をする祖母。


その時でした、

少年は何かを決意したように家を飛び出していきました。


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「あ、これ…どうしたんだい!」


祖母が声を上げた時には、
もう少年は見えなくなっていました。



「小さな少年」の「小さな決意」


その日から彼は一人で「もみの樹」に飾りをつけ始めました。


豪華な飾りなどあるわけもなく…


「木の枝」
「木の実」


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少し壊れてしまった「自分のおもちゃ」など…一生懸命に飾りました。



しかし「もみの樹」は大きく上の方までは手が届きません。

「どうしよう…」


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途方に暮れていると、

空から「ぴちち」と声がしました。
上を見ると青い小鳥がこちらをみていました。


彼は、

「小鳥さん手伝っておくれよ…もみの樹を綺麗に飾りたいんだ」

と話しかけました。


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やや間があり、

小鳥は首をかしげて飛び去ってしまいました…



青い小鳥…希望


次の日もその次の日も、

雪が降りしきる中、少年は粗末な飾りを造っては樹に飾っていきました。


「もみの樹」がよみがえったら村も元気になると思ったのです。
「クリスマスのお祝い」をできると思ったのです。


それは純粋な気持ちでした。


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「上にも飾りたいんだけどなぁ」

ふぅとため息を付いて空を見上げる少年。



その時でした。

「ぴちち」と声がすると例の青い小鳥が飛んでいます。

口に草花で造った飾りを持っています!


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「手伝ってくれるの!」


「ぴちち!」


小鳥たちは行ったり来たりしながら飾りをつけていきます。


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青い小鳥たちのおかげで樹の上の方まで、飾りつけははかどっていきました。


「もしかしたら、もしかしたら、元気になるかもしれない」


そんな事を考えながら毎日夕暮れまで、

ただ一生懸命に飾り付けを続けていきました。



冷めた大人たち


そんなある日、村のおじさんが通りかかりました。

手には斧を持っています。


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「ぼうずなにやってんだ?」


ぶっきらぼうにおじさんは言いました。



「もみの樹をよみがえらせるんだよ…昔はクリスマスにお祝したんでしょ?」

と少年。


「けっ!」


おじさんは言い放ち。


「この樹はもう駄目だ…切り倒して売っちまうんだ」


「どけっぼうず!」


なんと少しでも収入を得るために、
「もみの樹」を切り倒すつもりなのです。


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おじさんは少年の手を引っ張って樹から引き剥がそうとします。


「やめてよ!僕が復活させるから…」
「きっと復活するんだよ」


泣きながら訴える少年。


「ちっ!」


舌打ちしておじさんは行ってしまいました…




少年の熱意に打たれて


12月23日になり「もみの樹」は飾り付けられていました。
もちろん粗末なものです。


「破れた靴下」
「車輪のない車のおもちゃ」に「松ぼっくり」


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そして小鳥達の造った「草花のリース」
でも彼は思っていました…


これで「もみの樹」はよみがえるんだと。

そう信じて疑わなかったのです。


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青い小鳥の見る目線の先に、

物陰に隠れるきこりのおじさんがおりました。


突然ごそっと音がして現れた黒い影に、
少年は驚き尻もちをつきました。


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のそっと現れたのはこの前のおじさんでした。


「その、こないだは悪かったな…」

「まさかこんなに飾り付けするまであきらめないとは思わなかったよ」


ばつが悪そうに言いました。


「ぼうず!ツリーなら電球つけなきゃな!」


とウインクしてくれました。


「うん、ありがとうおじさん!」


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純粋な彼の気持ちが通じ、
村の数人が手伝って電球をつけてくれました。


久しぶりのお祝いに村の人たちの気持ちも、
あの頃のように…よみがえっていったのでした。



「ブルークリスマスの奇跡」



今日はクリスマスイブの夜12時です。

数人の村人が「もみの樹」の前に集まっています。


「さあ電気をつけるぞ」


とおじさん。


「3,2,1」カチッ! 反応はありません。



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「ん?」



カチッ!カチッ!


何度やっても電気はつきません…


「畜生おんぼろめ!いかれやがったか」


おじさんは機械を蹴っ飛ばしました。


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少年は呆然としました。


頑張ったのに…
小鳥も手伝ってくれたのに…
おじさんも村の人たちも手伝ってくれたのに…


自然に空に手を合わせていました。


空には月が出ていました…その月に向かって手を合わせました。


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その時でした。


どこからともなく

「シャンシャンシャン!」
「シャンシャンシャン!」


と聴こえる鈴の音…



彼はふと空を見上げました。

「ほっほっほ~」

とトナカイのそりのシルエット!


「Mary Christmas!!」


あたりは蒼い光で包まれたのです。


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みんな目を開けていられません。

まばゆく蒼いそんな輝きがあたりを包んだのです。


少年はゆっくりと目を開きました。



一瞬の静寂が訪れ…蒼く…どこまでも蒼く…
「もみの樹」の電球が一斉に蒼く光り、


小鳥たちも、

「ぴちち」「ぴちち」

と大はしゃぎです!



村人が見守る中「もみの樹」が復活したのです!


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「おぉあの頃のようじゃ!」

おばあちゃんも村人も目を輝かせています。



「ぼうずに教えられちまったな…」


「あきらめてたのは大人たちだったんだな…ありがとうよ」


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彼の純粋さが村に奇跡を起こしたのです…聖なる夜に奇跡が起こったのです。


諦めないこと…
純粋な事…

そして行動するものに幸運が訪れたのでした。



この出来事は近隣の村へ伝わっていきました。


毎年蒼く光る「もみの樹」を見に人々が集まるようになりました。
人々も徐々に増えていったようです。


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いま少年の瞳に映っているのは蒼い光だけです。

村は徐々に栄えていきました。
だけど…それはまだちょっとだけ先のお話です。


おしまい(ぴちち)



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【あとがき】


この物語で主人公の少年は実は何ももらっていません。
おもちゃも服も…物質的なものは何ももらっていないのです。
でもきっと彼は偉大な事をしたのです。
彼が起こした奇跡は、この後世界に拡がっていくのですから…
「ブルークリスマスの奇跡」として。



☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;




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私の忘れ物・*:.。 【創作寓話】by よつくま



忘れ物はありませんか?
もしくは忘れてきたものはありませんか?

日々に追われる生活の中でそれは置き去りにされているのかもしれません…

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これはちょっと生活に疲れた時に見て欲しい家族の絆のお話。



忘れられた留守番電話


とにかく日々が忙しかった…
家にいる時間は殆どない。


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今日もパソコンに黙々と手をやる…
無機質なカタカタというキーボードの音が響いている。

本当に響かせたいのは何?

彼女の名前はフィフラといった。
もうそれなりの年齢になっていた。
食事もおろそかに仕事に打ち込み…いや打ち込むことで何かを忘れたいのか。

もう街もクリスマス一色な季節。
自宅のピアノのそばにある留守番電話に一本の留守電が入っていた。

今日も家に帰らない彼女には知る由もない…。



フィフラがその事を知ったのは留守電が入ってから3日ほど経っていた。

父、アレクシが亡くなった。

「そっか…」

と一人つぶやいた。
信じられないほど気持ちが動かなかった。


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実家にはもう何年も帰っていない。

父アレクシはぶっきらぼうな人だった。
そして極めて古風で、PCやモバイルなど到底無理な堅物…。
そんな記憶しか思い出さなかった。

私が街に出ると言った時も…

「そうか」

とだけだった気がする。


留守電を入れてきたのは母のミラ。

「一度くらいお父さんに挨拶なさい」と入っていた。

母はピアノ講師をしており、その影響からか私もピアノを始めた。
よくあることだ。
そう…とっても普通の事。



小さな想い出


結構頑張ってピアノを練習した。
村の小さなコンクールで優勝をしたりした…気がする。

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もちろん街に出ていくつかの大会に出たりもした。

予選落ち
予選落ち
6位
7位
4位
予選落ち…

まぁそんなもんでしょ。


村の大会で優勝したからって街では…ましてそれで食べていくなんて。
到底才能の限界ってものがあるの。

家のピアノも埃をかぶっていた。
早く処分をしなくちゃって思いながら…今の所まだ出来ていない。



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あれはいつだったっけ?
そんなに遠くない過去。

私は夜にアルバイトがてら、ピアノを弾かせてもらっていた。
小さなお店で店員をやろうと応募して…
どういうわけかピアノを弾く流れになった。

その時声をかけられたことがあった。

「応援するよ!」
「頑張っているんだって?」

見知らぬ顔だったのでとりあえず笑顔でごまかしたっけ。


最近ではその店も辞めて…
ピアノに触れることもなくなった。

母ミラからの留守電の最後に
「とりあえずクリスマスには来るように」
と入っていた。


おそらく無理。

回答はしていない。
きっと仕事をしているだろう。
いつものように何かを忘れるように…



イブの邂逅


イブの夜。
仕事を終えて今日も22時をすぎる頃…

ふと聴こえてきたピアノの音に小さなお店に入った。

私の他に2、3組のお客しかいなくて、お世辞にも綺麗なお店ではなかった。
でも何故かその店に入りたくなった。

少し食事をして帰ろうと思ったのだ。


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22時30分頃。

しばらくお酒を飲んでいると、私の斜め奥の角の席に老人がいることに気がついた。
それまで気が付かなかった…
ただでさえ暗い店にみすぼらしいグレーの服が溶け込んで…
髭を蓄えた老人のようだった。

ふと目をそらした瞬間!

「ちょっといいかね?」

私の斜め前にその老人が座っていた…


!!


ぎょっとした…


「な、いったいなんですか?」


髭のある口に手を当て、静かにと言っているようなリアクションをした。


その瞬間だった!


頭にいろいろなことが流れ込んでくる…



ベッドに寝かされている赤ちゃんだ…

「この子の名前はフィフラ」
「ナナカマド」って意味だ。

魔除けの意味もあるけど、ナナカマドは何回燃やしても燃えないんだ。
きっと災厄から守ってくれる。
力強い声がする…


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「上手ねフィフラ」ミラの声かな?

頭を撫でられている子供…私??

「この歳でピアノを弾けるなんて天才じゃないか?」え!この人アレクシ??
両脇を抱えられて高い高いされている。


お父さん…笑ってる ミタノヒサシブリ…


「私ね…ピアノで一番になる」…。

「私ね、パパとママにたっくさん弾いてあげるね」 やめて!

「私、街にでて試してみたい…自分でどこまでやれるか」 無理よ!

「メールくらい覚えてよ!忙しいのに電話してこないで!」 いやっ!

「なぁミラ…そのメールってどうやるんだ?」 ……。

「私達は最後まであなたの味方よ」 !?


はっと我に返ると老人は消えていた。


思わず時計を見る…

22時31分

どういう事なの?
私は一人キョロキョロと周りを見渡したが特に変わったこともなかった。


クリスマスメドレーが演奏される中、私は足早に家に戻った。



故郷へ…


「え?休む?困るよ急に…」


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次の日の朝
私は列車に乗っていた。

何年も帰っていない
いや…帰れていない実家へ。

実は夕べのことはほとんど覚えていなく…
気がついたら家にいた。


「ナナカマド」
「ピアノ」
「メールどうやるんだ?」


それ以上に父の笑顔
母の言葉だけが残っている。

「サイゴマデミカタ」

数時間の列車を降り更に列車を乗り継ぐ…


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久しぶりにここに来た。

私は
「ピアノで有名になる」とだけ言い残して街へ出た。

実家に帰らなかったんじゃない…
帰れなかったんだ…恥ずかしくて、悔しくて…

結局投げ出した自分に。


「来たのね」とだけミラは言った。

コクンとうなずく私。


「こっちにいらっしゃい」


言われるがままに家に入る。
あの頃のままで何も変わっていないのに、別の家のように感じた。


「お父さんの部屋よ」


え?

父のデスクには一通りのPCが揃っていた。

「だってお父さんメールの一つも…」

促されるまま開かれた画面を見た。
PCの画面を見た私は画面が歪んでいくのを感じた。

「お父さん…お父さん」

ミラは私をそっと抱きしめてくれた。
少し痩せたかもしれない手、でも温かくて…嬉しかった。



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少し落ち着いた私を見てミラはそっと喋りだした。

「お父さんね、あなたが出ていって随分落ち込んじゃってね」

「寂しいものだから電話して怒られちゃって」 あ…


「メールを教えてくれって私に頼んだの」
「結局覚えられなかったけど…向いてないのね」


「その後ね、必死に本を読んで勉強して」
デスクには【初心者向けのPCの使い方】や【始めようインターネット】などの本があった。


「さっき見たSNSのサイトを作ったのよ」

「娘を応援して下さい」
「見かけたら聞いてやって下さい」てね。

あの時の見知らぬ人たちそれで…お父さん。


お茶を一口飲んでミラはふぅと息を吐いた。

「あの人は無口で誤解を産みやすい人だったけど、誰よりもあなたの味方だったわ」


アレクシの座っていた椅子を見ながら。

「そうそう、あなたの名前の由来しってる?」


知ってると答えた。


「ナナカマド」は魔除けで何回燃やしても燃えないんでしょ?


「あらよく知ってるわね!」ちょっと驚くミラ。


「お父さんがどんな道を進もうとも災いから守ってくれるようにって」

「あの人三日三晩悩んで選んだんだから…」
「自分は病気に勝てなかったけどね」

ミラの笑顔は少し寂しそうに見えた。


色々な話をした。
その中には知らないこともあった。



その夜は家族3人で厳かに過ごした。

父の座っていた席…
何故か父が好きだったタバコの匂いがした気がした。



私の忘れ物



翌朝父の墓へ

手紙を書いて置いてきた。
なんだか恥ずかしくて仕方がなかった…


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大嫌いだったタバコの匂い

「このタバコ…好きだったでしょう?」
「だから止めなって言ったのにさ…」

「…バコばっかり吸うから死んじゃうんだよ…」

タバコはジュッと音を立てて煙をくすぶらせていた。



私は街へと戻った。

手には父の作ったタバコの匂いのするノートを持って…

そこには私の6位とか7位とか小さく名前が乗っている記事が貼ってあった。
不器用な父らしくアナログなやり方で。

汚い字で
6位入賞おめでとう!

なんて書いてあって…結局アナログじゃない。


SNSのページは私が引き継ぐことにした。
その経緯を記した投稿にはそこそこの反応があった。

今日はその投稿の返信から
「うちで弾いてみませんか?」と言ってくれたお店にいく予定になっている。


正直どこまでやれるかわからないし、母を一人で実家に置いておくわけにもいかないから…


でも母が帰り際に言ってくれた

「私達は最後まであなたの味方だから」という言葉を胸に…

父が残してくれたこの名前と共に私は生きていく。

本当に響かせたい物を取り戻したから。




FIN•*¨*•.¸¸♬





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