魔法のクリスマスツリー˚*・.。  【創作寓話】byよつくま



【魔法のクリスマスツリー】



なんでも願いを叶えてくれる「魔法のクリスマスツリー」
もしそんなものがあったならあなたはどうしますか?


これは「魔法のクリスマスツリー」を偶然見つけた女の子のお話…


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皆考えは自分のお願い事


「魔法のクリスマスツリー」は誰もが探しているけれど、なかなか見つからないもの。


ある人はお金持ちになるために…
ある人は大好きなおもちゃを手に入れるために…
ある人はトップスターになるために…


みんながそれぞれの想いを抱いて森を探していました。
そう…もうすぐクリスマスなのです。


おじさんは言いました

「ツリーなんだから森にあるに違いない」
「邪魔な樹を切り倒したら見つかるはずだ」


男の子は言いました

「そんなものないよ…あるわけないじゃん」
「おもちゃは親が買ってくれるんだよ」


若い女性は言いました

「私以外にふさわしい人物はいなくてよ」
「さあ手伝いなさいな、スターになったときには召使いとして使ってあげる」


こうして今日も森は大賑わいです。



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今日も一緒…いつもの散歩道


女の子は村に暮らしています。比較的貧しいエリアでした。
「魔法のクリスマスツリー」がどこにあるのかなど知る由もないままです。

そんな中女の子はいつものように近所の森を散歩していました。

「あんまり遠くに行くんじゃないよ」とおばあさん…


お父さんは街で働いていてたまにしか会えません。
お母さんは村のパン工場で働いているのでクリスマスの時期は忙しいのです。
でもそのおかげで毎日食事を採ることは何とかできました。

「大丈夫だよ、トレエも一緒だから」と女の子。

トレエはお父さんが飼っている猟犬で黒い犬でした。
いつも散歩は一緒です。


女の子はお花を見たり、どんぐりを拾ったりするのが好きです。
恐い動物もトレエが一緒だと寄ってこないので安心して楽しんでいました。



迷ったおじさんとジンジャーブレッド


「らんらんらん•*¨*•.¸¸♬」

ちょっと気分よく鼻歌を歌いながら…
ほんのちょっと森の奥にやってきた女の子。

そんな時でした!

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「バウ!ワンワン!」
とトレエが裾を引っ張ります。

「どうしたのトレエ!」こんなことは初めてでした。

トレエはおとなしく声をあげることなどない犬でした。
引っ張られるまま小さな樹の袂まで引っ張られていく女の子…


「ワンワン!」
そこには黒い服をきたおじいさんが樹にもたれかかっていました。

「あ!大変!」

駆け寄る女の子

「大丈夫ですかおじいさん!」
「何か持っているかね?」とちょっと太めのお腹をさすっています。

「お腹がすいているの?ちょっと待って」

女の子は駆け寄り、おばあさんから持たされたお菓子を差し出しました。
今はクリスマス前なのでジンジャーブレッドを持っていたのです。

おじさんはブレッドを美味しそうに食べて、差し出した水を飲みました。

「ふぅ…ありがとうお嬢ちゃん」
「迷ってしまってね…行き倒れるところだったよ」とおじいさん。


女の子は
「こんなに浅い森で迷うかな?」と思いながらも…

「よかった!」

「村までご案内しましょうか?」と声を掛けました。


「大丈夫…心が洗われたよ」

「???」
女の子はよくわかりません…


「私は大丈夫だからおうちにお帰り、間もなく日が暮れる」

確かに帰らなきゃと空を見上げました。
…でもおじいさんが…??


視線を戻すとおじいさんは消えていました…



おばあさんと…


家に帰り夕食中、おばあさんに事の顛末を話しました。

「おまえは優しい子だね」
「おじいさんは大丈夫さ、元気が出たんだろうよ」

おばあさんは何かを言いかけました…


「さぁもう休みなさい」
と電気を消しておばあさんは出て行きました。


女の子は…
「何だったんだろう?明日もう一度行ってみよう」
と思いながら眠りにつきました…。



再び森へ


翌日女の子はトレエを連れて昨日のところへ行きました。
ところがそこには大きな樹が一本あるだけ…

「おかしいなぁこんなところにこんな大きい樹なんてあった?」

「ガサッ!」

何だろう?恐い動物だったらどうしよう……

トレエは涼しい顔で頭を掻いています。


すると突然大きな樹の陰からおじいさんが現れたのです!
昨日とは違う赤い服を着ています。

「ほっほっほっ…昨日はお菓子をごちそう様」

「お礼をしなくては…何か欲しいものはないかい?」


女の子はきょとんとしています。
トレエは「わう?」と首をかしげます。


おじいさんは大きな樹をなでながら…

「この樹はの…魔法のクリスマスツリー!」
「なんでも願いが叶うんだよ…聞いたことはないかい?」


女の子は首を振りました。

「おじいさん元気になったんだね、よかった」と女の子。

おじいさんは傍にあった切り株にどっこいしょと腰を下ろしました。


「最近は私利私欲に汚れたものが多すぎる…」
「おかげですっかり汚れてしまったよ」
「お嬢ちゃんのおかげで力を取り戻したんだよ、なんでも願いを叶えてあげよう」


「本当?」女の子は喜びました。


お金…あったらお父さん帰ってくるのかな…
お花の柄の入ったお洋服着られるのかな…

色々考えました。

そして女の子はこういったのです…
「私のお願いは…」


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女の子の願い事


今日はクリスマス当日

女の子の家ではつつましくも家族が集まってお祈りをささげているところでした。
クリスマス休暇に入ったため、
お父さんもお母さんも…おばあさんもトレエも揃っています。

お祈りが終わったところで女の子は昨日の話を両親にしました。

「それで何をお願いしたの?」とお母さん

「うんとね…赤い服のおじさんにお願いはしなかったの」


………沈黙


「私はお父さんもお母さんもおばあちゃんも、トレエも、住む家もある」

「だから他にご飯が食べられない人や、家族に会えない人にお願いを取っておいてって…お願いしたの」


「そう…とてもいいことしたわね」と頭を撫でました。

「えへへ…」と照れ笑いの女の子。


「頂きましょう」

厳かにクリスマスの食事を済ませました。

「さぁもうおやすみなさい」
「おやすみ」


女の子が眠った後…
大人たちは話していました。

「優しい子に育ったねぇ」とおばあさん。
「俺たちの子だ」と何度もうなずくお父さん…
お母さんは無言でうなずくのみ…瞼から抑えきれないものが流れます。

「私たちは間違ってなかった、感謝いたします」

祈りの言葉を残して夜が更けていきました……。



女の子の願いと小さな幸せ


翌朝になりました。

クリスマス休暇でみんな揃って朝食です。
女の子はとっても嬉しそうです。


朝食が済むとトレエを連れていつも通り森に出かけます。

今日はお父さんも一緒です。

女の子は幸せでした。
とってもはしゃいだ女の子は、お父さんの背中の上の帰り道…


傍を歩いているトレエの首輪が変わっていたことは内緒です。


一つ売るだけでも暮らしていけるほどの…
輝く石のついた豪華な首輪に変わっていることに…


「ばう?」



【魔法のクリスマスツリー】おしまい🐶




拡がる寓話の世界






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